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    かけはし2021年3月8日号

「天皇代替わり」とは何だったのか再定義された「象徴天皇制」


2.23

5年間の闘いでつかみとったこと

討論集会



徳仁天皇の
誕生日会見


 2月23日、「紀元節」と「天皇誕生日奉祝」に反対する 2・11〜23連続行動は、 文京区民センターで「2・23討論集会「天皇代替わり」とは何であったのか―再定義された象徴天皇制」をテーマにして行われた。
 この日、2月23日は、「天皇徳仁」の誕生日と称して天皇制を賛美し、民衆統合を強化する「祝日」としている。この性格を「天皇陛下61歳 誕生日記者会見」において全面的に展開している。
 徳仁は、コロナ禍において「新型コロナウィルスワクチンの接種も始まりました。今しばらく、国民の皆さんが痛みを分かち合い、協力し合いながら、コロナ禍を忍耐強く乗り越える先に、明るい将来が開けることを心待ちにしております」などと高飛車な態度で、まさしく菅政権とまったく同様に自己責任で生き延びろと精神論をふりまいた。すでにコロナ危機によって、多くの中小企業は経営の危機に陥り、労働者の解雇、雇い止めを繰り返している。非正規労働者、女性、学生などは深刻な生活の危機に陥っている。生活保障、休業手当などの財政支援がまともにできていないのが現状だ。一切の責任は、菅政権の無策にあり、人命軽視の医療政策、コロナ対策にある。この人災を免罪するために天皇会見は貫かれている。
 そもそも天皇行事などの皇室予算、中止しかない東京五輪・パラリンピックにかける巨額な財政を支出するのではなく、医療、民衆の生活支援のために使えと主張していくことは重要だ。天皇賛美を繰り返すメディアを糾弾し、天皇制廃止に向けて反天皇制運動を強化していこう。

共産党までも
路線を「転換」


問題提起が以下の3人から行われた。
天野恵一さん(連続行動)は、 「『代替わり』儀式と憲法:代替わり過程の総括」について次ぎのように報告した。
「安保再定義は、憲法9条下において自衛隊の海外派兵の既成事実化によって全面的に合憲化させていった。天皇制の再定義は、大日本帝国憲法下の神権天皇制の復活ではなく、既成事実の積み上げによって象徴天皇制を作り上げてきた。その具体例として、森喜朗元首相が神道政治連盟国会議員懇談会(2000年5月)で『日本の国はまさに天皇を中心として神の国』発言を行ったが、革新マスコミや保守マスコミも含めて『国民主権憲法がわかっていない』と批判した。しかし、森発言は『真実』だった。天皇に対して『最高敬語』を使い讃え、批判することはしてこなかった」。
「この流れに対して日本共産党も例外ではなかった。違憲行為を行っている天皇に対して批判せず、学者たちも護憲の枠内にあるとして全面撤退だ。共産党は、天皇出席の国会開会式出席など次々と天皇制屈服、転向へと全面化していった。共産党のブレーンである渡辺治は、象徴天皇制徹底(民主化)論へ後退している。なぜ端的に憲法上の制度としての『象徴』制を批判し、その廃止が望ましいといわないのか、と問いたい。天皇一族は、天皇制維持のために女系天皇も含めて新たな再定義へと向かっている」。

「皇位継承」
問題巡って


桜井大子さん(連続行動) は、「皇位継承問題:再定義問題とどうからむのか?」という観点から@「皇位継承問題」の現在 A天皇制的な価値からみれば、次の皇位継承は「直系」から「傍系」の流れを明らかにした。
そのうえで「25年ぐらい『女性天皇』が来るぞと警鐘を鳴らし続けている。望まれる形の天皇制のとりあえずの安定はこれしかないはずだ。世論調査で象徴天皇制を是とする90%のうち80%が女性天皇容認だ。つまり、女性天皇推進派は熱心な象徴天皇制支持者でもある。それにもかかわらず皇室典範第1条を削除する力をもつ国会は男系男子に固執するのか。男系男子主義なのか、右派が怖いのか、天皇制の『伝統』を替える主体になることが怖いのか。政府も長年の天皇の希望である『女性宮家』や『女性天皇論議』を避け続けてきた。天皇家の『伝統』は天皇のためではなく、支配の論理だ。天皇制とは国家制度であり、天皇家の論理だけでは動かないし、政府は常に天秤にかける。このような局面と現状に対して反天皇制運動は直面しており、反撃の有効な言葉を構築していかなければならない」と強調した。

「上皇・天皇・
皇嗣」の構造


北野誉さんは、「権力・権威の重層化問題:上皇・天皇・皇嗣の三つ巴構造」というテーマから問題提起した。
「前天皇の明仁は、自分が生きているうちに次代に引き継ぎ、象徴天皇制の安定的継続に向けて天皇による『公的行為』のさらなる展開をねらった。現状は、新型コロナ状況で停滞してしまっている。また、天皇一族の現在を分析するために正月皇室写真は大変興味深いものだ。実質的には上皇の存在が、天皇家と皇嗣家とを同じ画面に統合している。つまり、機能としては『家長』のような存在として上皇の権威が続いている」。
今後は、「明仁亡き後は、兄弟二つの家族写真の並列写真となる。天皇―皇太子体制がタテ方向へ向かう求心力とすれば、天皇―皇嗣体制はヨコ方向へ向かう遠心力にはたらくことになるかもしれない。秋篠宮誕生日記者会見で『内廷皇族』ではなく、秋篠宮として皇嗣であることになった。つまり、天皇に直属しない、自立の主張とも言えるのではないか。いずれにしても天皇制の安定性を構築していくために新たな変容が必要となっていることは確かだ。それは天皇の権威をどのように高めていくかの天皇制の再定義であり、『あとつぎ』問題として突きつけられている」と分析した。
問題提起後、質疑応答に入り、様々な観点からの意見が発せられた。最後に明日からの反天皇制運動に向けてスクラムを強化し、論議を深め、反撃陣地を拡大していくことを意志一致した。        (Y)


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